かつて泣く泣く手放した名機600Xが再び手元にやってきました。今回は600Xの外装に関してみていこうと思います。
数年ぶりにやってきたThinkPad 600X。今回は外装と各種インターフェイスに関してご紹介しようと思います。
600X正面。このモデルは2645-5EJなので、標準でウルトラスリム6倍速DVD-ROMドライブが実装されています。
かつて所持していた600Xは2645-4EJだったので標準搭載光学デバイスがCD-ROM、DVDを見るためにウルトラスリムDVD-ROMドライブを別途購入した思い出があります。それが、今回は標準実装です。ありがたいことです。
現代のウルトラベイスリムデバイスに比べると全然薄くも何ともないですが、当時の名称で表記したいと思います。
内蔵のウルトラスリム6倍速DVD-ROMドライブ。FRU 27L3873。ドライブには東芝SD-C2302が使用されています。ドライブにはRPC-IIの文字があり、リージョンコードがあらかじめ2に設定されています。
このドライブは底面のツメのついた箇所のネジを外すことでThinkPad 570/570Eのウルトラベース用に転用できました。そのため、私は600Xで使用できるDVDドライブを570Eで使うようたくさん買い集めていました。捨てずに残していた周辺機器でFRU 27L3731の松下寿SR-8174-Hが使用されたウルトラスリムDVDドライブも持っています。こちらはリージョンフリー化してあります。
600X右側面。各種インターフェイスが並びます。
左から、液晶開閉ラッチ、TV出力用ポート、外部ディスケット・ドライブ接続ポート。
外部ディスケット・ドライブ接続ポートにはきちんと蓋がしてあります。最近の機種のようにコネクタむき出しではなく、きちんとカバーがされているあたりにこだわりを感じます。
左からマイクロフォン、ライン入力、ヘッドホン出力、そして私の大好きなIrDA。600XのIrDAはV1.1に対応した最高4Mbpsのものです。身内の友人がIrDAを見切ってほかの通信方法に移行しても、私はIrDAを好んで使っていました。そういう過去を知っている友人たちと会って話すときに、私の口から「IrDA」の言葉がでようものなら間違いなく爆笑されますw かくいう私はIrDA亡き後は律儀にBluetoothに移行しています。後から登場しますが、うちのThinkPad 600XでもBluetoothを使っています。
PCMCIAカードスロット。Type III x1、またはType II / I x2が使用できます。
スロットはCardBusとZVポートに対応していますので、CardBus周辺機器やDVD-to-Goのようなマルチメディア系PCカードが使用できます。特にCardBusに対応しているという点が、600Xを21世紀の現代でも立派に実用に耐える機械にしてくれるのです。
カードスロットのカバーはそれぞれ独立しています。しかもスロットの上下カバーは別々の部品で作られており、上がパームレスト側、下が下半身側についています。それを組み立てるとこのように一体化される凝った作りになっています。精密な設計と組み立て、細かいところにも配慮がみられる立派な作りです。
背面。左からマウスとキーボード共通のPS/2ポート。分岐ケーブルを使えば外付けキーボードとマウスを同時に使用できます。隣はアナログVGAポートとパラレルポートがありますが、埃などが入ったりしないようカバーで覆われています。
カバーを開けるとアナログVGAポートとパラレルポートが出てきます。
セレクタベース600用の拡張バスコネクター。きちんとカバーがかかっています。
シリアルポート。これもカバーがかかっています。
カバーを開けるとシリアルポートが出てきます。
私はビデオ出力のないRS/6000やSystem p、PowerSystemsなどのAIXサーバーやSANスイッチ、各種通信機器などシリアル接続をする機会が多いのですが、最近のマシンにはシリアルポートがないのでUSB-シリアル変換ケーブルを使用しています。USBで代替できるとはいえ、こうして本体にシリアルポートがついているのは非常にありがたいです。消え去ったレガシーポートの中で残念なひとつがこのシリアルポートです。
600X右側面。排気口とUSBポート、電源スイッチ。USBポートにはカバーがかかっています。右端はモデムです。
ちなみに600Xには時代的にオンボードLANの機能がありません。LANの機能はPCカードで提供されました。
カバーを開けるとUSBポートが1基現れます。本体に搭載されているUSBはこれ一つだけ、しかも規格はUSB1.1なので高速転送ができません。
大容量USBメモリーを使うにも、無線LANを使うにも、これでは非力です。しかし、USBがあるだけマシです。
ケンジントンロック用の穴と、液晶開閉ラッチ。
筐体を薄く見せるためにエッジを斜めにカットする現代のThinkPadに通じるこの意匠は、ThinkPad 600シリーズが始めてだったような気がします(姉妹機のThinkPad 570シリーズも同様にエッジが斜めにカットされているが600シリーズの方が発表が早かった)。また、剛性を持たせるためにマグネシウム合金を使うようになったのもこの600シリーズからだったと記憶しています。
600X底面。
ゴム足も脱落していない立派な機体です。
古いThinkPadになるとゴム足が溶けていたりはがれていたりすることもあるので、ありがたいです。
型番シール。2645-5EJ。
日本アイ・ビー・エム株式会社の文字も見えます。
メモリースロットをあけるとDIMMスロットが2つ現れます。
ともにPC100の256MBのSODIMMが搭載されています。本体標準実装が64MBなので、64+256×2=576MB。これよりあとの440BXなThinkPadではオンボードメモリーが削除されているので、実質上限が512MBまでと600Xより少なくなっています。当時の64MBは馬鹿にできませんでした。
600Xにはmini PCIカードスロットが使用されています。ここにはモデムカードが使われています。
改造次第ではmini PCIの無線LANカードも搭載できますが、実施すると電波法に抵触するかもしれないというリスクもあります。
私は無線LANに関しては様々な機種で使いまわしができるよう、汎用的な方法を使って600Xで11nの無線LANを使っています。
詳細は後日ご紹介します。
内蔵HDD。譲っていただいたこの機体には標準で搭載されていた12GBのの代わりに30GBの東芝MK3018GASが搭載されていました。
大容量化と高速化を図って、この日立HTS726060M9AT00に交換しました。回転数7200rpm、容量は60GB。600Xでの転送速度はおよそ26MB/s、UDMA/33な440BXでは上等な速度といえます。
見れば見るほどすばらしいマシン、ThinkPad 600X。
私はこの20世紀の名機を強化し、21世紀に蘇らせることにしました。
まずはキーボードを日本語から英語に交換しなければなりません。
私はデッドストックのThinkPad 600用英語キーボードを取り扱っている業者を見つけ、取り寄せることにしました。
次回は英語キーボード換装に関してご紹介します。