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DEC Celebris GL-2 6266ST

※ 本投稿は旧コンテンツで2001年1月23日に更新したものを再編集したものとなります。

■DEC Celebris GL-2 6266ST

DEC Celebris GL-2 6266STは、日本ディジタルイクイップメント株式会社(以下、日本DEC)が1997年に発表した企業向けのミニタワーPCです。
チップセットは440FX、Pentium II 266MHzを最大2個搭載することができます。
CPUに関してはそれ以上のアップグレードが用意されませんでした。
今回はより高クロックなCeleronへの換装を行います。

左側の2台がGL-2

【参考】日本DEC、Pentium II搭載機など企業向けデスクトップ8モデルを発表

IO-DATA PK-P2A500改造編

IO-DATAはSlot1搭載機のアップグレード用にCeleron(以下Mendocino-PPGA)を搭載したPK-P2A500というCPUアップグレードキットを用意していました。
そもそもMendocino-PPGAをDualで使うことはサポート外ですので、PK-P2A500はDual仕様で使えるとはうたわれていません。

Mendocino-PPGAをDualで動作させるためには、以下の条件を満たしている必要があります。(詳細はIntelデータシート参照)
(1) B75がAN15(BR1#)に接続されていること
(2) AN15が56オームでVtt(1.5V)に接続されていること

ですが、このPK-P2A500をテスタで調べたところ、PK-P2A500はB75がAN15に接続されておらず、しかもAN15がVttにも接続されていませんでした。
そのため、このままではDualで動作させることが不可能であることがわかりました。
今回はこのIO-DATA・PK-P2A500を改造してDual対応のCPUアクセラレータにし、Celebris GL-2 6266STをMendocino-PPGAのDualマシンにしてしまいましょう。

【参考】PK-P2A500 – IODATA

(1) PK-P2A500の基板を調べましょう

黄色の枠がいじる部分

基板を見てみると、怪しげなスイッチ群(SW1)と抵抗の乗っていないパターン(R7)が存在していることが分かります。
上の写真で黄色の枠で囲った部分がそのSW1とR7の部分です。

(2) B75とAN15を接続する

変更前 変更後

B75のパターンを追ってみると、そのパターンはSW1-7を経由し抵抗R11を経由してAN15に接続されています。
SW1-7はデフォルトでOFF(写真左)になっているのでこれをON(写真右)のように変更します。
これでB75-AN15が接続されます。

(3) AN15とVtt間を56Ωの抵抗で接続する

変更前 変更後

AN15-Vtt間はAN15-AD36間にパターンが存在し、パターン上に56オームの抵抗も乗っていることをテスタにて確認しました。
また、AN15-AD36の間にR7という0オーム抵抗の乗っていない部分(写真左)があるため、ここに0オーム抵抗を乗せるかショートさせるかすることでAN15とVtt間を56Ωの抵抗で接続されます。
私は手元に0オーム抵抗がなかったので0.26mmのジュンフロン線でショートさせました(写真右)。

(4) Celebris GL-2 6266STに実装

実装後の様子

処理が終わったら、カバーを元どおりにしてCelebris GL-2 6266STに実装します。
純正のファンは背が高くて互いに干渉するので、ファンをはずしてヒートシンクのみにします。
Celebris GL-2 6266STはCPU横に巨大なファンがついており、ヒートシンクのみでも十分冷却できます。
最後に、電源を投入して、BIOSで2CPUで認識していれば改造は成功です。
認識しない場合はもう一度確認してみましょう。
あとはWindowsNT4をインストールします。

(5) L2キャッシュの有効化

Mendocino-Celeronに未対応BIOSを搭載した440FX搭載機にMendocinoを搭載した場合、「L2キャッシュが切れた状態で起動する」という不具合が生じることが、広く一般的に知られています。
Celebris GL-2はBIOSでMendocinoに対応しているわけがなく、またBIOSのアップデートを行なってもMendocinoには対応しないので、このままではMendocinoは搭載してもL2キャッシュが切れたまま起動してしまいます。
これを回避するにはPowerLeap社の「CPU Control Panel」というソフトを用います。
OSが起動してから常駐するプログラムなので、OS起動まではL2キャッシュが切れた状態ですが、OSが起動してこのソフトウェアが常駐してしまえば、L2キャッシュの効いた非常に高速な環境となります。
残念ながらこのソフトウェアは、その性質上OSのインストール中に実行できません。
特にWindows2000のインストールにおいてはL2キャッシュの切れたままの状態でインストールが行なわれ、非常に時間がかかります。
なお、WindowsNT4に関しては、インストールが特に遅くなるという印象はありませんでした。