今回は予備機として入手した2台目の2645-5EJと、PentiumIII 850MHzとSSD化のお話です。
2010年7月21日。
IBM ThinkPad 600X 2645-5EJが気に入った私は、全く同一型番の機体を予備機として入手しました。
愛好家の放出品だったらしく、セカンドHDDアダプターなどの周辺機器、各種マニュアルもきちんと揃っていました。
そんな二台目の2645-5EJはすばらしい改造がされていました。
PentiumIII 850MHz化済み。
ThinkPad 600Xで使用されているCPUは、MMC-2(Mobile Module Connector 2)と呼ばれるCPUと周辺回路(ノースブリッジ)を一緒に搭載した基板のようなモジュールで、PentiumIIIを搭載したMMC-2の最高速版がこの850MHz版です。
2645-5EJは元々MMC-2のPentiumIII 500MHzが搭載されており、SpeedStep非対応です。SpeedStep対応のMMC-2 PentiumIII 850MHzが搭載されているこの機体では、バッテリー駆動時またはバッテリーなし(または死んだバッテリーを搭載)の状態でACに接続して使用した時は700MHzで駆動、生きているバッテリーを搭載してACに接続して使用した時は850MHzで駆動します。そういう意味では生きたバッテリーは850MHzで稼働させるための重要な条件といえます。バッテリーはへたっていても死んでいなければ大丈夫なようです。
なお、MMC-2自体に改造を加えてSpeedStepを無効化してしまえば常時850MHzで稼働させることが可能です。そのうちやってみたいものです。
また、850MHz化されたこの機体では、5回中3回程度はそのままでは起動しません。BIOS起動後、左上に「_」が表示されたままになります。そうなった場合はFn+F2やFn+PgUpなどを押すことで起動します。850MHz化600Xのおまじないです。
850MHz版600Xは露骨に高速です。
350MHzの差は相当に大きいと感じます。
ところで、ThinkPad 600XでSSDを搭載したという話はあまり聞きませんし、検索してもほとんど出てきません。
twitterのいつものThinkPadクラスターの方々の間でもなかなか確定情報がでてきません。相性で動かないという噂も聞きました。
手元のHTS721010G9AT00とHTS726060M9AT00を600Xに接続してhdparmで計測したらm両方とも26.5MB/sec近辺だったのでUDMA/33な600Xはこれが限界なのかもしれません。
26.5MB/secも出たら理論値の約80%のパフォーマンスを出しているのですから上出来です。高価なPATAなSSDに交換してもどんなにがんばっても33MB/secが限界ですから、交換はコストに見合わないので事例もあまりないのかもしれません。
ならば、というわけで。
バッファロー SHD-NHPU2 シリーズ の128GB版を購入。amazonで44642円。
これがどれだけ速度向上に貢献してくれるか見物です。
HDDそっくりの外見。
幾分本物の2.5インチHDDより薄い感じもします。特に底面基板がないぶん、コネクターが若干下側につく感じになります。
下手したらピン曲がりそうです。
ThinkPad 600XでSSDが認識。
OSはもちろんLinux。今回はUbuntu 10.04を入れることにしました。
Windowsなんか使うより、Linuxを使った方が600Xにとって未来があります。
10年前の機種でも最新技術の恩恵にあずかれるのがOSSの強みでもあります。
SSDをhdparmで計測してみると、速度は理論値の約90%をはじき出しました。
440BXのIDEはUDMA33なので33MB/sが上限、しかしこのように30MB/s近く出たのだからこれはもう万々歳というところです。
HTS721010G9AT00とHTS726060M9AT00では26.5MB/sec弱なので、約3MB/secの速度向上となります。
次回こそは周辺機器のご紹介をしたいと思います。
次回から使用するThinkPad 600Xは850MHz版です。どうぞお楽しみに!