100台のIBM/Lenovoマシン(4)

 今までに入手したコンピューターは2010年4月現在でおよそ300台。入手したコンピューターの多くに思い出があります。今回は私とIBM/Lenovoマシンにまつわる思い出を何回かに分けて書いてみようかと思います。第4回は2006年から2008年にかけてのお話です。


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【はじめに】
・機種名に併記されている「#130」などの文字は通算入手台数を表します。入手マシン及び台数の完全なリストは こちら をご参照ください。
・機種名に併記されている日付は、手元にマシンがやってきた日になります。購入日とは異なる場合があります。
・このお話に登場する機種のハードウェアスペックや販売時期などは私の記憶に基づいており、私の記憶違いや事実誤認による誤りも含まれている可能性があります。
■通称『江戸川中央データセンター』の時代(東京都江戸川区在住:2002-2009)
 転職してアプリ開発者からインフラ技術者に転向して、配属されたプロジェクトではIBM AIXのシステムの設計、構築、運用、保守を行う日々が続いた。
 夕方急遽データセンターに飛んでいって設計書なしで障害起こしたサーバーを即席で作った他のLPARに移行したりするなど無茶な仕事もやった。
 新規で導入されたSystem p590+拡張筐体にメインフレームから移行した新システムを構築する案件では、私がリーダーになって構築を行った。自分が作業をするだけでなく管理も行うプレイングマネージャーの役割もさせていただいた。
 当初はお客様と私たちの間にかなり大きな溝があり、なかなか話が進まなかった。私はその溝を埋めるべくお客様の業務内容も理解した上で円滑な話と提案がしたかった。お客様に頭を下げてウザがられるくらい聞きまくって業務の内容を教えていただいた。私はインフラ技術者としての目線ではなくお客様目線で一緒に作業をし、やがてお客様から信頼してもらえるようになった。作業があれば労って頂いたし、何かあった場合には名指しで私を頼って頂けるようになったのはとてもうれしかった。一方で属人化を恐れた私は、このシステムを誰もが運用保守できるように資料を作ってチーム内の勉強会を行ったり、私以外のメンバーが対応できるようスキルトランスファーを実施した。このシステムは見事サービスインし、お客様から大変喜ばれた。私はこのシステムは自分の子供のように可愛がった。
 私は数年にわたったこのプロジェクトでは技術スキルだけでなく、マネジメントやコミュニケーション能力も学んだ。同じプロジェクトのIBMの方にはコーチングをする側の方がおり、私は彼からコーチングを受け、昔の自分から変わるきっかけを手に入れることが出来た。昔からの私を知る友人は私を「良い意味で人が変わった」と表現した。
 このプロジェクトでは皆が能動的に動き、お客様に満足して頂くために様々な活動を行った。
 正確な障害対応ができるよう、Tivoli監視システムと連携して動作するJavaのGUIプログラムを書いたりもした。これはオペレーターさんに喜ばれた。自分が一度捨てたJavaのスキルがここで思わぬ形で役に立った。
 顧客満足度やプロジェクトの改善をあげることは一朝一夕では難しいが数年間にわたって活動を行ったて改善したことが評価され、私たちのプロジェクトチームは表彰された。
 私は人に恵まれた。皆様がいたからこそ、生きがいを見つけることができた。
 私は明るい方向に歩き始めた。
#270 06/03/29 Lenovo ThinkPad X60 1706-24I

 Lenovoが設計を一新したラインナップでリリースした60番台ThinkPadラインのひとつ。ノートPCでデュアルコア搭載はすごいなと思っていた矢先に使っていたThinkPad X31が不調になり買い替え。
 CoreDuo T2400 1.83GHz、メモリーは2GBに増設。キーボードはUSキーボードに交換。初のDualCoreマシンで購入価格も28万円と値段も高かったが、仕事が出来ないのは耐えられなかったので購入した。
 Lenovoになってからの新設計・新モデルとなるこのX60を使ってみて、喜びと不安と失望があった。
 X40とほぼ同サイズでデュアルコアプロセッサーが搭載され、非常にパワフルなマシンになったことは大変喜ばしいことだった。Linuxでマシンパワーを使う作業が多かった私にとって、デュアルコアのこの機械はとても快適だった。ファンクションキーも灰色からすべて黒一色になったのも精悍なイメージになり好感が持てた。一方で、今までのThinkPadを使っていて見逃せないこといくつかあった。
 デザイン上変更でもっとも許せなかったのはトラックポイントのクリックボタンの赤ラインと青ラインが廃されたことだった(後にX300/X200シリーズで復活)。赤と青のラインがなくても機能に影響はないとはいえ、初代ThinkPadであるThinkPad 700Cから今まで連綿と受け継いできた赤いラインのクリックボタンの意匠を廃したことは個人的に失望しただけでなく、今後のThinkPadに対するLenovoの姿勢を表すものかもしれないと不安にもなった。キーボードは60番台から新設計になった。これも私は落胆した。Windowsキーとアプリケーションキーが存在しないThinkPadにそれら謎キーが沸いて出てきた点に憤慨したのは言うに及ばないが、キーのパンタグラフの再設計とキーボードの底板の剛性や支えがよろしくないせいか、X40シリーズから圧倒的に劣化したキーボードとなってしまった。キートップの端を押すとキーがぐらつくし、キータッチの軽快感はX40やX31には遠く及ばず失望した。
 それからもっとも失望したのが、右パームレストの発熱。これまでのThinkPadは人間が直接触れる場所は熱くならないような設計になっていたし、そこがまたThinkPadの評判の良い点の一つであった。ところが、このX60をを使用して私は失望した。「暖かい」ではすまないほど右パームレストが発熱したのだった。個体差かと思ったので同じくX60を購入した友人のIBM社員に聞いてみるとやはり右パームレストが明らかに「熱い」とのこと。検索しても同じ事象のユーザーが出てきたのでこれは明らかに私だけの問題ではないと分かった。右パームレストには発熱する無線LANカードが存在しており、この部品の発熱は無線LANのON/OFFにはあまり関係なく、消費電力が高くなるような処理をしている場合に発熱することが分かった。放熱または冷却のための機構がうまく働いていないのではと感じた。ThinkPadの通気口や排気口が熱くなるのではなく、人が常時触れるパームレストが熱くなるというのは本当に失望した。3Dを駆使するようなアプリケーションにおいてはリソースが不足する前に冷却不足と思われる症状でハングする事象も見うけられた。
 この機械でも当然のようにXPを消し、Linuxを導入。1週間かけて設定や不具合解消を行い、X31のデータを引き継いだ。その時の設定メモは こちら 。なお、CoreDuoはのちに登場したCore2Duoとは異なり拡張64-bitに対応していないため、この初代X60では拡張64-bit用Linuxが使用出来ない。
 初代X60のメモリー搭載上限は公称2GB、試しに4GB搭載したところ、BIOSで3GBは認識、OS上でも3GBしか使えなかった。インテル945チップセットを搭載した初代X60はメモリ空間が4GBしかサポートされない。そのうち1GBはBIOSなどで予約されるため実質3GBしかマッピングされないからであった。
 この様に色々と制限のあった初代X60は、2年後のX61購入までモバイルのメインとして故障することなくずっと使いつづけた。このマシンもX31同様に相当稼がせてもらった。
 この機械は後にX61を買った際、ノートパソコンが壊れて困っていた相方に譲渡した。
 私はこの後、Core2Duo搭載の次期X60、後継のX61の最終モデルを購入してこれらX6xシリーズの変遷を見届けた。変更点は後述の各モデルのエピソードでご紹介する。
 ※ 我が家のPCの壁紙にはかなりの頻度で SIMPLE HOUSEさん の作品を使わせていただいております。ありがとうございます。
#271 06/05/14 IBM e-server x226 NY48-A33 besed on 8648-PCM

 IBMビジネスパートナー経由でオプション含め全部新品購入。Xeon 3.0GHz/2MB x2、4GB RAM、160GB HDD x4、ServeRAID-7t。IntelliStation Z Proに構成が非常によく似ており、メンテナンス性に優れてスリムな筐体を評価して購入した。VMwareESXのテストマシンで使用後、ネトゲのサブアカウントマシンに転向。
 システムボードにPCIe-x16が存在しており、そこにELSA GLADIAC 970 GTX Silentを挿して使用した。この時にはすでにネトゲでは3アカウント構成で戦っていた。
 x226は消費電力削減に伴うNetBurst排除計画に伴いThinkCentre M55Tに買い換えられたあと売却された。
#272 06/06/24 IBM e-server x336 NY37-273 based on 8837-PLH

 IBMビジネスパートナー経由でオプション含め全部新品購入。Xeon 3.0GHz/2MB x2、4GB RAM、72GB SAS HDD x2、RSA-II S/L。VMwareESXをVirtualCenterで管理するためのVirtualCenter Serverにするために導入。後にx306mを購入した後に機能をすべてx306mに集約させたためVirtualCenter Serverとしては引退。
 引退後は、ハードウェア仕様変更にてSystem p5用HMC(ハードウェア管理コンソール)7310-CR3に仕立て、2010年4月現在System p550のHMCとして使用中。
 HMCとは「Hardware Management Console」の略で、日本IBMでは「ハードウェア管理コンソール」と訳している。
 HMCは専用OSを搭載した小さなIAサーバーで、POWER4以降のプロセッサーを搭載したサーバーを管理するために用いられる。HMCはLinuxベースの専用OSだが、Linux特有のコマンドはことごとく無効化されており、管理機能以外の機能は一切提供しない。同様の仕組みはSystem p5だけでなく、System i5やメインフレームのSystem z9、大型ストレージのTotalStorage DS8x00にもあり、やはり専用OSと小さなIAサーバーが使用される。p5のHMCはp5のLPARの作成/削除/運用/保守/管理をしたり、動的LPAR(DLPAR)によるリソース移動を行ったり、CUoD(キャパシティアップグレードオンデマンド)などを司ったりする機能を受け持っている。また、LICの保守機能や、直接ローカルログインするためのインターフェイスなど、数多くの重要な管理機能を提供するサーバーである。当然複数台による冗長構成もサポートし、複数台置いた場合にはそれぞれが同期を行い、1台のHMCが死滅した場合でも肩代わりできるような高可用性も提供する。
 ほとんどのp5はHMCがなくても使用が可能であるが、管理対象のp5が多い場合には導入を推奨している。またLPAR構成のp5の場合はHMCは必須フィーチャーとしてオーダーされる。大型システムのSystem p590/p595の場合は必須フィーチャーとなる。
 AIX稼働サーバーのHMCにはそれぞれバージョンがあり、各バージョン毎にサポートされるプラットフォームが異なる。AIX稼働サーバー用のHMCは大きく分けて、POWER4系列用、POWER5系列用、POWER6系列用があり、原則的にプラットフォームの異なるサーバーを混在しての一括管理はできない。ただし、POWER5系とPOWER6系に関しては例外があり、特定の条件を満たした場合は混在して一括管理が可能である。
 HMCのリカバリー媒体はIBMにオーダーすると提供される。また、HMC V4以降であればIBMのWebサイトからもダウンロードができる。
 HMCのベースとなっているのはIBMのIAサーバー(一部PCも含まれる)であり、市販されているモデルに準じている。しかし、仕様がHMC専用に変更されているため、市販されているIBMのIAサーバーをHMCに転用し、HMCを導入することは原則的に不可能である。私がやっているのでやってやれないことはないが、その仕様変更のためのフィーチャーは一般には提供されておらず、部品を交換したところでHMCの導入は不可能でさらに特殊な仕様変更を実施しなければ導入どころかHMCの媒体のブートすら失敗する。
 我が家のNetBurst排除計画ではこの7310-CR3を対象外としたのには理由がある。簡単な機構コンバージョンでこのHMCはPOWER4用として使用が出来る。また特定条件を満たせばPOWER5とPOWER6環境もサポート出来る。3世代にわたって管理出来るHMCは7310-CR3以外はなかったような気がする。なお、この機械の保守部品はいざと言うときのために大量に保存してある。
#— 2006/09/23 IBM 9306-420 NetBAY42 スタンダードラック

 IBM xSeries用42Uフルラック。かつて業者にフロントドアがメッシュになっているIBMの42Uラックの再生品が入荷したら購入したいので連絡してほしいと伝えていたところ、連絡を受けた。型番を教えてもらいサイズと重量を調べた。
 ラックは玄関から入って右側のフローリングの部屋に置きたかった。リビングや畳の部屋と隔離できる廊下のドアがあるので、居住空間への騒音低減されるようにしたかった。そこで、自宅の玄関や廊下、窓の大きさを計り、ラックが搬入できるかどうか見当したところ、玄関近くのフローリングの部屋には搬入スペースの都合でどう頑張っても搬入出来ないことが判明した。駐車場に面している窓からは搬入はできるが、その部屋はタタミなのでラックを設置したらどうなるか目に見えている。消去法で、ラックはリビングに設置することにした。生活場所を犠牲にして機械をを置くことにした。
 ラックは運送屋が持ってくるが、運送屋は家の前までしか持って来てくれない。搬入と格納は自分たちでやらねばならない。格納はどう考えても一人では無理だったので、mixiで有志を募って江戸川中央の家に搬入を手伝っていただいた。
 日記でパソコンラック買ったと紹介したら結構反響があった。自分の家で個人用途で使うコンピューターは、パーソナルコンピューターだと認識している。
 今までタワー型のサーバーマシンだったのをラックマウントのマシンに替え出したのは、将来的にラックに格納するのが目的だったため。ラックが到着して一気にラックに機器が詰められた。床や金属ラックに無造作に置かれて使われていた機械はラックに収まり、家にはスペースが出来た。
 2009年の両国への引越の際は引越し業者に搬出と搬入を依頼。機器格納は同業者のプロ集団に依頼した。こういうときに身内に本業が多数いると力強い。
 写真は両国に搬入後の配線中の時のもの。
#— 2004/06/10 IBM 7133 Serial Disk System Model 020
#— 2006/10/20 IBM EXP300ストレージ拡張装置 3531-1RU
#— 2006/10頃 IBM NetMediaストレージ拡張機構 3551-001

 7133 SSAディスク装置はRS/6000のHACMP共有ディスクに、EXP300はNIMサーバーのイメージ格納兼データバックアップ領域に、NetMedia拡張機構はRS/6000のmksysbテープ作成用に使用中。
#— 2006/10/08 IBM 3600 LTO Tape Library 3600-109

 社長からもらったんだが、引越のときに社長に奪われて持っていかれてしまったw
#273 06/10/15 IBM RS/6000 7046-B50 Enterprise Server
#274 06/10/17 IBM RS/6000 7046-B50 Enterprise Server
#275 06/10/30 IBM RS/6000 7046-B50 Enterprise Server
#276 06/11/08 IBM RS/6000 7046-B50 Enterprise Server

 RS/6000 43P-150がラックで場所をとってしまうので、機器の格納密度をあげるために買い替えを実施。このRS/6000 B50はPowerPC 604e 375MHzを搭載し、省スペースのラックマウントであるためPCIバスの数が43P-150より少ないことを除けば兄弟マシンと言ってよいほど似通っている。システムファームウェアも43P-150と共用である。43P-150とこのB50はpSeriesになりPOWER4マシンがリリースされたあともエントリーモデルとして販売されつづけた。
 だいぶ古い機種であるが、最終ファームウェアでAIX5.3までに対応。SSAアダプターを使用して共有ディスクを接続すればHACMP(要HACMPソフトウェア)も構築できる。
 各種テスト環境として現在でも使用中。ただし最近はAIX環境は64-bitで使われるのが常識になっているのでもうそろそろ潮時かもしれない。
 POWER5搭載のSystem p510あたりを数台欲しいところではある。
#— 2007/11/11 IBM NetBAY 1U フラットパネル・モニター・コンソール・キット(英語) 1723-1UX

 ラックを購入したときは3Uの分厚い古いIBMラックコンソールを使用していた。最初はそれで良かったのだが、マシンの更改が始まって整理統合及び新規導入を行った結果、ラックのスペースを有効利用すべき状況になったために1Uラックコンソールに交換。各サーバーとの接続には下記の機器を使用した。
 ※ 我が家のPCの壁紙にはかなりの頻度で SIMPLE HOUSEさん の作品を使わせていただいております。ありがとうございます。
IBM 4-port Local Console Manager 1735-L04

 背面にはアナログVGA、PS/2、シリアル、RJ-45コンソールポート×4が並ぶ。
 PS/2はもちろんのこと、x330などの C2T、USBの3種をCat5に変換するアダプターが別途用意されており、PS/2とUSBの場合は各ポート最大16台のデイジーチェーンが、C2T接続の場合は42台のデイジーチェーンが可能。デイジーチェーンすることにより、(配線技術者の技量にも依存するが)ラックの背面がコンソールケーブルでスパゲティになることを最小限に抑えることができる。
 4ポートモデルでは同時に64台、C2T接続の場合は256台の接続ができる。
 さらにこの製品は旧型の09N4291 2×8ポートコンソールスイッチとの相互接続もサポートしている。
 この製品を最上位の親として接続すれば、旧型の09N4291 2×8ポートコンソールスイッチとの親子接続が可能である。
 私のシステムには既にPS/2ポートが廃止されてUSBのみになっているSystem xや System p5が稼働しているが、未だにPS/2を使用するxSeriesやRS/6000も併用して運用している環境にある。
 そのような新旧インターフェイスが混在する環境には最適な製品といえる。
IBM 1.5m KVM Conversion Option 39M2897

 しばしばKCOの名称で呼ばれるこのKVM変換オプションは上でご紹介しているIBM 1735系列のローカルコンソールマネージャーやグローバルコンソールマネージャーで使用するためのものである。PS/2およびVGAをCat5に変換し、さらにそれをデイジーチェーンすることが可能。4本セットで税込81900円、大量のサーバーを接続するオプションなのでバラ売りはされていない。1本あたり2万円程度だが、ケーブルマネージメントの簡略さと拡張のしやすさを考慮すればむしろ安い。最近のPS/2の存在しない機種用には39M2895 IBM 1.5m USB Conversion Option (UCO)というのが用意されている。KCOとUCOは混在可能。私のラックはこれらを使用してPS/2とUSBをすべて統合した。
 ラックの背面がケーブルでめちゃめちゃになっている状態はラックの冷却効果を劣化させるだけでなく、管理上の問題や予期せぬケーブル障害を引き起こしやすい。ケーブルはできるだけ減らし複雑さを排除するよう結線すべきだ。
 この頃には仕事は多忙を極め、家に帰っても障害対応をしてほぼ徹夜状態で翌日定時に出勤するというハードワークをこなした。居酒屋から障害対応することもしばしばあった。
 一日三食すべて外食、加えて往復の通勤は自腹でタクシーを使い、時間をお金で買って生活していた。そうしないと体力が持たなかった。
 仕事は大変だったが精神的におかしくなることはなかった。インフラの提案/設計/運用/構築/保守の仕事は本当に私に合ったまさに天職だと思った。
#277 07/02/08 Lenovo ThinkCentre M55 Tower 8802-7HI
 実家が経営してる建築設計事務所が隣家の貰い火で焼けてしまい、大切に保管していた図面やデータと一緒に親のCADマシンも焼けてしまった。
 両親はその火事のせいで精神的にかなりの苦痛をうけ、父はしばらくの間設計の図面が引けない状況にあった。ちなみに隣家からの火事の謝罪などは一切なく、近所に住んでいた隣家の親戚も謝罪せずに火災直後に引っ越していなくなったという。
 2年経ってから父は建築設計事務所を再開した。私は今まで親に迷惑ばかりかけていたし、ちょうど仕事で懐が潤っていたので親への恩返しもかねてマシンを買って送ってやった。それがこの機械であった。
 当時還暦近かった親は、ThinkCentreが届いてから、今までDOSで稼働していた486のPC-98からCore2Duoの動くXPのマシンに機種を変え、「60の手習いだ」と笑いながら一生懸命勉強していた。OSやマシンの変化も学び直して今では元気に図面を引いている。
 父がフロッピーの代わりに使い出したUSBメモリーは「フロッピーの中身がたくさん入って便利」と大喜びしていた。うれしかった。最近は図面や資料をUSBメモリーで持ってくる人も増えて、USBとは全く縁のないMS-DOSのPC-98で使うためには1.4MBのフロッピーにコンバートする必要があったらしい。それだけにUSBメモリーが自分の環境で使えるようになったことに父は喜びを隠せなかったようだった。
 親は未だに「ThinkPad」や「ThinkCentre」はIBMの製品だと思っていたようで、マシンがLenovoになっていてビックリしていた。私は「IBMのPC部門はLenovoというPC会社に引き継がれたけども、IBM時代と製品変わらないよ」と言って説明した。
 このM55はLenovoとIBMのダブルネームの機種で、IBMロゴも入っていたので説明しやすかった。
 そういえばLenovoとIBMのダブルネームはいつまで続いたのだろうか。M55より後のThinkCentreを全部は見ていないので未だに分からない。
#279 07/03/19 IBM e-server x306m 8849-PAM

 x300とx336の機能を引き継ぐために購入。Pentium4搭載のホットスワップモデル。消費電力を下げるために標準搭載のPentium4からTDPの低いPentium4に載せ替えたりした。
 保守期限が切れた直後に内蔵ファンが故障して警告ランプが点灯。後継モデルのx3250に買い替え。x306mは次に買ったx3250に部品を流用するために分解したあと処分した。
 
#280 07/03/25 Lenovo ThinkPad X60 1709-A8I

 最初に購入したCoreDuoモデルのX60が出た後にCore2Duoモデルが出たので飛びついた。T7200 2GHz搭載。
 チップセットは945GMのままで初代X60と変わらない。よってメモリー上限は3GB。Core2Duoなので拡張64-bit OSを搭載可能だが、メモリーが3GB以上認識できないので64-bitマシンとしての旨味にはやや欠ける。
 初代X60から乗り換えようとすべくNetBSDを導入して環境を整えたが、ほとんどSSHでリモートから入って使うような用途しかしていなかったので外見は新品同様だった。
 結局初代X60から乗り換えるメリットもそれほどなく、実戦配備前に飽きて弊社社長に売りつけてしまった。
 先に説明したように、弊社社長とはオークションで知り合った。
 知り合ってからしばらくはオークションでやりとりをしていたが、やがてオークションを介さず直接個人売買をするようになった。
 彼の会社に入ってからは社長の住所を知っていることを逆手にとって、社長が購入を迷っていてなおかつその物品を私が所持している場合には、彼の自宅に着払いで品物を送りつけ「荷物送ったからお金を振り込むように」という新手の詐欺に近い(けど本人には了承済み)個人売買をやるようになった。社長はどうもこの個人売買の方法はお気に召さないようだが、売る側の私としてはこんなに都合のいいことはないので味をしめて続けていたら、後述のThinkPad T61pを最後にお断りされてしまった。惜しい優良顧客をなくした(笑)
 まあこういうバカなやりとりをしても笑って許してもらえるというのは社長と社員以上の信頼関係がゆえである、と思いたい。
#281 07/06/26 Lenovo ThinkCentre M55 Tower 8802-7GI
#282 07/09/04 IBM IntelliStation M Pro 9229-LYJ

 ThinkCentreは実家に1台買ってあげて設定のためいじってたら気に入って自分に買った。標準搭載CPUはCore2Duo E6300 1.83GHzからE6700 2.66GHzに交換。当時高価だったELSA GLADIAC 988Ultraを購入して搭載しようとしたところBTX仕様のこのマシンに2スロット使うこのカードは物理的に搭載出来ないことが発覚、しかたがないのでビデオカード用補助電源とELSA GLADIAC 786GTSを買って挿した。これでNetBurstのIBM xSeries 226は引退した。
 挿す場所がなくて活用できなくなったELSA GLADIAC 988Ultraを使うために兄弟マシンであるIntelliStation M Proを購入。CPUはCore2Quad Q6700を購入して換装。補助電源と988Ultraを挿してゲームマシンとなった。こちらもこれでNetBurstのIBM IntelliStation Z Proは引退した。
 デスクトップマシンがなくなってからは、クライアントマシンはThinkPadのみで統一された。常時稼働させる必要のないマシンは電源を落として必要に応じてリモートから電源ONにして使うようになり、クライアントがThinkPadに置き換えられたことで、月間の電気代はかなり下がった。
 月間のアカウント代に7500円費やし、ゲームのためにIAワークステーションを導入しててこれだけハマったネトゲ「エミルクロニクルオンライン」も、15キャラの2/3にあたる10キャラをカンストさせた時点でその単調さとゲームの下らなさに気づき、あまりの時間の無駄に嫌気がさして休止。その後イラっとすることがあったのでガンホーアカウントを消してサクッと引退した。
 ゲームで使われなくなった2台はLinux入れて使っていたが消費電力削減を目的にデスクトップからノートに統一することにしたため、ThinkCentreはQuadro FX 1400を搭載して相方に譲渡、IntelliStation M Proのほうは古くからの友人であるマンガ家に譲渡した。
#283 07/10/03 IBM System x3650 7979-PSE (8-Core/17GB Memory)

 x346が保守期限を迎えるのと、消費電力対効果の低いNetBurstを排除すべく、IBMビジネスパートナー経由で新品導入。CPUはXeon 5345 x2にアップグレード、メモリー17GB、HDD 500GB x6、VMware ESX 3.5を導入。8コア、17GBメモリーという潤沢な資源を使い、仮想化をさらに進めた。RSA-II S/L搭載によりリモート管理も完璧である。
 必要に迫られて購入したのであまり思い入れはない。
 じつはこの機械は移行環境構築中に電源ボタンを押してもIPLしなくなるという事象が発生、技術員によるシステムプレイナーとパワーケージの交換が実施された。

 これは技術員が置いていった保守サービス報告書。
 しかし、今後の拡張に備えるには上位モデルへの買い替えが必須になるため、柔軟にリソースを増減出来るBladeCenterに移行。2010/10で保守切れになるので、BladeCenterに完全移行予定。
 2010年4月現在稼働中。
 我が家のNetBurstは最盛期に5台合計で9CPU分動作していた。強硬なまでのNetBurst徹底排除は、電気を食うNetBurstから消費電力対効果の高いCoreマイクロアーキテクチャーに統一するという目的もあった。
 2007年11月末。長い間お世話になったプロジェクトを円満退画することになった。
 私は今まで所属したプロジェクトで送別する側になったことはたくさんあったが、自分が送別される側になったことはなかった。
 業務最後の日には挨拶回りで労いの言葉をいただいたし、以前構築したシステム担当者の方が私の席にまで来てくださってプレゼントを持ってきてくださった。送別会にはお客様を初めプロジェクトメンバーや多くのオペレーターさんが駆けつけてくれた。
 で、その職場の仲間が、私に心のこもった送別の品をプレゼントしてくれた。書ききれないくらいみんなびっしりメッセージが書き込まれた色紙。裏はみんなでアホなことをやって騒いだプロジェクト旅行の悲惨な写真の切り抜きが。みんなの暖かい言葉と裏のアホ写真のギャップに失笑したが、うれしくて涙が出てしまった。
 プレゼントはそれだけではなかった。何やら大きな包みを渡された。開けてみてくださいというので、開封して私はギョッとした。

 ダイキ工業 ToHeart2 向坂 環 デレ顔バージョン(1/5スケールPVC塗装済み完成品)。
 これはめちゃくちゃ欲しかった製品だが、送別会の費用でこんなもの買ったのか!
 なんという嫌がらせすばらしい演出!
 「電脳さん、そのキャラはなんというんですか?」
 との質問が。私はすかさず
 「向坂環(こうさかたまきです)。向坂環は俺の嫁!!」
 と言ったところ、大多数はものすごく盛り上がったが一部メンバーはドン引きしていた。
 こうしてプロジェクトの送別プレゼントにタマ姉のエロフィギュアが送られるという伝説を残して私は退画した。
 皆様ありがとうございました。
#284 08/01/28 IBM System p550 9113-550 (POWER5)

 64-bit RISCプロセッサー・IBM POWER5搭載のSystem p5。これまでは32-bit環境はPowerPC 604e-375MHz搭載のRS/6000 B50と150、64-bit環境はPOWER3-200MHz SMPのRS/6000 260が活躍していたが、順当にPOWER4のマシンを購入せず、いきなり世代をすっ飛ばしてPOWER5を導入した。
 最近の新しい環境でのテスト環境に使用中。フロントパネルは破損したので外してある。
 外部から自宅にアクセスし、電源ONからすべての管理が可能。ビデオカードは挿してあるが、操作はすべてHMC経由なのでラックコンソールには接続されていない。
 2010年4月現在使用中。